〖材工と張り手間の違い〗

材工とは?材料を持参して施工するという意味です。

施工会社は、問屋と取引契約をしています。電話一本で注文出来、材料や工具等、内装工事に対する全ての纏わる物を会社や現場に配達してくれます。

月毎の支払いです。

そして契約時に取引金額も定価の?%という掛け率を交渉します。

会社毎に仕入れ値が変わってきますが、年間でどのくらい発注してくれるかを問屋はみて、沢山発注する会社には低価格で取引してくれます。

大手の元請けさんが下請けさん(個人の職人さん)と業務提携している場合、年間沢山の案件を依頼する口実と材料手配、工程の段取り等を管理するとして、張り手間(クロスを張るだけの工賃)と称した格安?激安?で、契約します。大きい会社は、営業マンを駆使し、案件も多いのです。

職人さんは、どちらかというと、現場で黙々と作業するのが身体で覚えるのか?口下手な人が多く、自分で仕事が取れない為、安くても仕方なく渋々契約をします。

これが、材工と張り手間の説明と元請け下請けの関係性です。

 

話しは変わります。

ここ数年前からアマゾンや楽天等、ネットショッピングが、鰻登りの様に流行り、世界の流通の全てを席巻し続けています。更には、商品の提供に留まらず、クロスを購入する時に、作業付き(職人も手配しますよ)なるものまであります。どんどん進化してコンピューターに侵食されています。

我々にとっては、余計な事を、と思っていますがそこはそこ。

滅茶苦茶高い。それはそうですよね。商品は外国で安く製造出来て安く提供出来ても、職人までは会社員ではないので、言わば外注です。ネット広告の会社は2割や3割乗せなくてはいけないので高いに決まっています。

まだまだ職人は世の中で必要です。

本当に頭が痛いのは、材料(商品)の価格が我々の聖域だった問屋と、一般の人がネットで購入出来る価格とあまり差が変わらなくなってきている事です。これには問屋もお手上げみたいで……。

それならお客様に材料を変わりに手配してもらえばよいと考えがちですが、素人なので、何をどれだけ必要か?これは果たして安いのか?等の問答が多く、説明をしても中々理解してくれなかったり…。

時間の無駄が多いし、お客様の利益の為に、我々は何年も努力して培ってきたノウハウを無償で提供するのは無理があると…。

お客様が材料を支給するという事は、我々は手間代ですが、それは納得いかないでしょう。

こちらが計算を間違えたり、解釈の違いで材料が違うものがきたり、材料不足だった場合、こちらのせいになるだろうし。

間取りの造りで、張る面積が50m2でも材料は53m必要だったり、60m必要な時もあります。

これでは説明しきれないので、張る人間や会社が責任を持って材料を手配するのが揉めないし、一番懸命です。我々は、材料を用意する時は利益を考えずに、多めに用意するので任せていただいた方がよいのです。

これが、昨今ネットで材料を支給したがるお客様と施工会社が材料持ちで契約したいの関係性のお話しでした。